世界古典文学全集5・聖書

多くの押井守作品で引用されている聖書は筑摩書房「世界古典文学全集5・聖書」関根正雄、木下順治編集のものである。文語体による聖書であり明治以後に出 版されたものはその言葉使いにおいて翻訳文学としても傑出したものであると編纂された関根氏の言葉が後書きに書かれている。

本書は昭和30年代までの各資料を元に編纂されたものであるが故に現代語訳とは異なる重みのある言葉が綴られている。これは単なる直訳では味わうことの出来ない文学的な側面を持ち、読み進めるごとに表現の素晴らしさを堪能出来る。昭和40年に初版が全集という形で刊行されたため現在において入手するのは困難なものと思われる。

本書からの主な引用作品

機動警察パトレイバー 劇場版

    • 「エホバくだりて、かの人々の建つる街と塔を見たまえり。いざ我らくだり、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。ゆえにその名は、バベルと呼ばる」

    • 「災いなるかなバビロン、そのもろもろの神の像は砕けて地に伏したり、そのもろもろの神の像は砕けて地に伏したり」

機動警察パトレイバー2 the Movie

    • 「我地に平和を与えんために来たると思うか。我汝らに告ぐ、しからず、かえって分争なり。今よりのち、一家に五人あらば三人は二人に、二人は三人に分かれ争わん。父は子に、子は父に、母は娘に、娘は母に……」

GHOST IN THE SHLL 攻殻機動隊

    • 「我童子のときは語ることも童子のごとく、思うことも童子のごとく、論ずることも童子のごとくなりしが、人と成りては童子のことを棄てたり」

    • 「今我らは鏡をもて見るごとく見るところ朧なり。されど、かのときには顔を対せて相見ん。今わが知るところ全くからず、されど、かのときは我が知られたるごとく全く知るべし。」

イノセンス

    • 「その思念の総計はいかに多きかな。我これを算えんとすれどもその数は沙よりも多し」

TOYKO WAR 富士見ファンタジア文庫版、エンターブレイン版

天使のたまご アニメージュ文庫